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わとびら会
ご挨拶
「少女が夫婦道祖神や精霊たちに育てられ、山里の守り神となる。」
このストーリーがやってきたのは、
都心から多摩エリアへ引っ越した7年前のこと。
近所の公園で舞台創作のデッサンをしながら、
白昼夢をしたときのことでした。
折しも安曇野を中心に、長野や岐阜、富山などの
自然や歴史、民俗学などに触れる
旅が始まった時でもありました。
長野・山梨・多摩・相模・・・
ミシャグジの神様や道祖神など、このエリア
一帯に石を祭る信仰が縄文時代からあったことが
私の知的好奇心を掻き立ててくれました。
多摩と長野を行きかう中で、
夫婦道祖神と華ちゃんにまつわる
ストーリーの輪郭が
あらわになりました。
このストーリーはお子様にも、親御さんにも、
おじいちゃんおばあちゃんにもご覧頂けるよう
わかりやすい言葉を選び作りました。
観てくださる方が懐かしさを感じてくださったり、
お住いの土地や郷里に改めて目を向けて頂いたり、
自然と人とが共に生き共に助け合う、
優しさ溢れる感性や本能を呼び覚まして
頂ける機会となれましたら・・・
との思いから、
5年の温め期間を経ての発表となりました。
ミツバチが消えつつある時代…。
巨大震災、巨大台風に、アマゾン森林火災、
そして、貧困に戦争、心の病、疫病…
2019年11月、科学術誌「Nature」では
地球が緊急事態にあると、
気候科学者らが警鐘をならし、
複数の地球システムが連鎖的に
「臨界点」を超えることで、
地球全体が後戻りできなくなる可能性がある
と、発表しました。
科学技術や経済の発展・進歩が、決して
きらきらした未来を運んでは来ないということが
今、世界中の多くの人々の
生きる不安要因となっているように感じます。
私が旅した安曇野の地は、
いまだ神や精霊、人との繋がりが
お祭りや日常を通して
誇りをもって結ばれていました。
また日本各地には、民俗学者柳田国男や折口信夫、
民族学者でもあった岡本太郎をはじめ
先人たちが見出した
自然や精霊や神と人との繋がりが、
まだ残っていつつ、
消えつつもあります。
世界各地で神や精霊たちの住む山々も
消えつつある時代。
天と大地と自然と人との深い絆が
いかに大切なのか、大切だったのか・・・
「華ちゃんが山里の守り神になる。」
この創作童話を軸にした公演のご鑑賞や
盆踊りワークショップ等へのご参加をきっかけに
ご自身の地元、足元にある誇るべきもの
~残され、消えつつもある日本人の文化や風習~
に今一度、思いを馳せて頂けるような
機会となりましたら・・・
また、私たち人類のDNAに宿る、
きらきらした生きる底ヂカラ
=自然と人とが響きあい共生する感性や本能を
呼び覚す新たな旅を、
一緒に始めて頂けましたら幸いです。
2020年5月1日
わとびら会 代表:岡 佐和香
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